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「あれ、さくらさん、聖都大学の出身ですか?」
「いや」
「え…じゃ、事件でここに来たことがあるんですか?」
「まあな」
「殺人事件ですか?」
「お前には関係ない」
さくらは若い刑事の頭をくしゃくしゃとなでる。
「や、やめてくださいよ」
若い刑事は、内ポケットからくしを取り出し、携帯に顔を映して髪型を整える。さくらはそんな後輩の手馴れた姿に苦笑して、大学のほうに目を向け、
「もう、あんな悲しい顔は二度と見たくないな…」
「え、なんですか?」
「だから、お前には関係ないんだよ」
さくらは若い刑事の頭をさらにくしゃくしゃになでようとするが、若い刑事は軽いフットワークで後ろに跳び、満面の笑みを浮かべる。
「いくぞ」
さくらは重い足取りで大学へ入っていく。若い刑事はご主人様においていかれそうになった犬のように慌てて、さくらの横に並ぶ。
「徳川さんの方から何か出ますかね?」
「この事件に親とか関係ないだろ。徳さん、好きなんだよ、親兄弟から聞くの」
「好きなんですか?」
「ああ、趣味悪いだろ」
「そんな、遺族に失礼があったら、どうするんですか」
「大丈夫。相手の気持ちには敏感だし、決して傷つけるようなことはしないから。ただ、映画とかに出てくる人情派刑事をきどってるだけさ。こないだも、聞き込みの後、涙浮かべてるから、『どうしたんですか』って聞いたら、『俺っていい刑事だよなぁ。誰か映画化してくれないかなぁ』って自己陶酔してたよ」
さくらは守衛所の前で止まり、
「研究室の場所聞いて来い」
若い刑事の頭をくしゃくしゃになでた。
「いや」
「え…じゃ、事件でここに来たことがあるんですか?」
「まあな」
「殺人事件ですか?」
「お前には関係ない」
さくらは若い刑事の頭をくしゃくしゃとなでる。
「や、やめてくださいよ」
若い刑事は、内ポケットからくしを取り出し、携帯に顔を映して髪型を整える。さくらはそんな後輩の手馴れた姿に苦笑して、大学のほうに目を向け、
「もう、あんな悲しい顔は二度と見たくないな…」
「え、なんですか?」
「だから、お前には関係ないんだよ」
さくらは若い刑事の頭をさらにくしゃくしゃになでようとするが、若い刑事は軽いフットワークで後ろに跳び、満面の笑みを浮かべる。
「いくぞ」
さくらは重い足取りで大学へ入っていく。若い刑事はご主人様においていかれそうになった犬のように慌てて、さくらの横に並ぶ。
「徳川さんの方から何か出ますかね?」
「この事件に親とか関係ないだろ。徳さん、好きなんだよ、親兄弟から聞くの」
「好きなんですか?」
「ああ、趣味悪いだろ」
「そんな、遺族に失礼があったら、どうするんですか」
「大丈夫。相手の気持ちには敏感だし、決して傷つけるようなことはしないから。ただ、映画とかに出てくる人情派刑事をきどってるだけさ。こないだも、聞き込みの後、涙浮かべてるから、『どうしたんですか』って聞いたら、『俺っていい刑事だよなぁ。誰か映画化してくれないかなぁ』って自己陶酔してたよ」
さくらは守衛所の前で止まり、
「研究室の場所聞いて来い」
若い刑事の頭をくしゃくしゃになでた。
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