ツヨシはとても不快だった。なんなんだ、この刑事たちは。家で死んだんだから、俺関係ないだろうが。別にタカシと仲いいわけでもないし。なめてんのかよ。特に若い方の刑事だ。何嬉しそうな顔してやがんだ。練成しちゃうぞ。
「おい、メールだぞ」
ツヨシの携帯からアニメ声のメール着信音が流れる。

ちくしょー、一体誰なんだ、こんな時に。あの刑事たちの顔。えー、えー、そうですよ、俺はおたくだよ。なんか文句あんのかよ。お前らなんか、俺の力で肉の塊に変えれるんだぞ。
「メール、どうぞ」
「あ、いいです」
あー、いらいらする。南、この刑事たちが来てからとってもいらいらする。
「忙しいところすいませんね。聖都署のサクラといいます」
「聖都署の春日です」
なんだよ、警察手帳なんて、てんで怖くないぞ。それにカースガかよ。トゥース！
「遠藤タカシさんと同じ研究室に在籍しておられる草刈ツヨシさんで間違いないでしょうか」
「はい」
「遠藤タカシさんのこと、聞かれましたか？」
「ええ、今さっき先生から」
「研究室の方、全員からお話聞きたいと思っておりますので、ご容赦ください。遠藤タカシさんと最後に会われたのはいつでしょうか」
「昨日の夜」
「なんだって、昨日の夜！」
「落ち着け、春日」
おーおー、興奮してるよ、このカースガ。
「どこでお会いになりましたか？」
「ここだよ。この部屋」
カースガ、興奮マックスだな。
「おい、メールだぞ」
ちょっと、じらしてやるか。
「メール、見てもいいですか？」