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黒いiPodから始まった事件はどこへ向かうのか…。
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スティーブの力強いソロプレイが続く。スミレはスティーブに向かって微笑み。迫りで下がって行った。ゴスペルは、いつのまにかブルースに変わり、レゲエとなり、最初の子供が弾いているかのような演奏で終わる。大きな拍手と歓声に両手を振って応えるスティーブ。
迫りとともに再び上がってきたスミレ。ヘッドセットマイクを付け、ベースギターをさげている。驚くフィリーとスティーブ。うつむいたままのスピード。ざわつく観客席。
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『S』のジャパン・ライブ。スピードとフィリーによる一曲目の演奏が終わり、ガラガラだった客席は満員になり、興奮に包まれていた。楽しげなスティーブ。スティーブとフィリーはステージ中央をジッと見ている。ステージ中央の床が下がり、上がってきた。一人の少女がマイクを持って立っていた。エアリーな束感のマニッシュなショートボブの黒髪。クラッシュ加工された白のタンクトップの下には真っ赤なシルクのキャミソール。レザーの黒いショートパンツにガンメタリックの黒いハイヒールグラディエーター。少女の顔に笑みはなく、ただ怒りがあった。
リョウが春日にSのジャパン・ライブについて語り始めた。
「なんだか、ぞっとするポスターでしたね」
「深紅のしずくと思っていたのは、血の涙だった。そういえば、春日さんが、あのライブに来たのはどうしてですか?」
「彼女に誘われて行きました。彼女はちょっと変わった子で、僕は振り回されていましたよ。彼女はあのポスターを見て、とても気に入ってました」
リョウが春日にロンドン・ライブを語り終わり、涙している。
「ごめんなさい。思い出してしまって」
「いえ、気持ち分かりますから」
「次の日、スピードはもうアメリカに帰っていました。フィーリーも自宅に。スティーブは友達とロンドン観光。スミレは行方不明。ロンドン・ライブの熱狂はマスコミに伝わり、スミレ以外はインタビューの嵐。インタビューで分かったことは、彼らはロンドン・ライブのために集まっただけで、次のライブは予定されていないこと。そして、バンド名はなかった。スピードは『スピードと愉快な仲間たち』と呼んでくれって言ってましたね」
スミレたちのロンドン・ライブの話を春日にしているリョウ。
「スミレがステージから下がって、二曲目が始まりました。スピードのギターからです。一曲目のアグレッシブな感じと違って、とても繊細に弾いてました。うっとりしましたよ。そこに乗っかってくるスティーブのキーボードが実にスバらしかった。スピードのギターの邪魔を全くせずに、ギターの音が引き立っていました。フィリーのドラムが静かに加わってくる。とても美しい時間だったのですが…」
「?」
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