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リョウが春日にSのジャパン・ライブについて語り始めた。
「なんだか、ぞっとするポスターでしたね」
「深紅のしずくと思っていたのは、血の涙だった。そういえば、春日さんが、あのライブに来たのはどうしてですか?」
「彼女に誘われて行きました。彼女はちょっと変わった子で、僕は振り回されていましたよ。彼女はあのポスターを見て、とても気に入ってました」
「なんだか、ぞっとするポスターでしたね」
「深紅のしずくと思っていたのは、血の涙だった。そういえば、春日さんが、あのライブに来たのはどうしてですか?」
「彼女に誘われて行きました。彼女はちょっと変わった子で、僕は振り回されていましたよ。彼女はあのポスターを見て、とても気に入ってました」
+ + + + + + + + + +
「聖都大の子とつきあってるんだ」
「あ、いや。もう分かれました。彼女にとって僕は平凡すぎたようです」
照れくさそうに微笑む春日。
「ライブの前日、グランドにステージが作られ、客席とともにフェンスで囲まれました」
「そんな直前にできたんだ」
「ノーチケットで、聖都大の学生証を見せれば入れる。入り口で学生証を確認していた外国人がいたでしょ」
「ええ」
「あれは、ロンドン・ライブのチケット売り場の時のガードマンたちですよ」
「へー、そうだったんだ」
「僕はステージ脇にいるように指示されていました。全く宣伝する機会を与えられなかったので、客席はガラガラ」
「そうでしたね」
春日は懐かしそうな顔をする。
「最初は凄く悔しかったな。客席があんな状態で彼らをステージに立たせるなんて…。春日さんは最初からいたんですよね?」
「ええ。彼女に連れられて最前列にいました」
「ステージにスピードが現れたとき、客席がざわつき始めた。フィリー、スティーブが現れて、客席の期待は現実になった。ステージを指差して叫んでる奴、慌ててケータイで友達を呼んでる奴。面白かったな…。そんなことには委細構わずスピードがフルスロットルでギターを弾き始めた。ロンドン・ライブよりもさらに腕をあげていた。その音は学校中に響き渡り、どんどん客席が埋まっていく。歓声も大きくなっていく。最高潮に達したところでフィリーにバトンタッチ。おっと、いけない。DVDを見ましょうか」
リョウがDVDを再生する。テレビに映し出されるジャパン・ライブのステージ。スピードが現れて、手をあげるが、歓声はない。スピードは動じる様子もない。フィリーが現れて手をあげる。客席がざわつき始め、何やら叫んでいる声が聞こえる。フィリーがドラムの前に座る。スティーブは手をあげることもなく、キーボードの前に立つ。スピードが右腕をグルグルと大きく回し、シャウトすると同時にギターを弾き始める。湧き上がる歓声。一つ一つの音を毛羽立たせ、荒々しく駆け抜けるギターの音。ギターはスピードを上げ、荒々しさを増していく。どんどん大きくなっていく歓声。ギターのスピードがMAXを迎え、スピードが右腕を天に突き上げると同時に、フィリーがドラムを叩き始める。凄まじい速さで始まり、緩急をつけ、まるで大波に飲み込まれていくような迫力。歓声は、これ以上はないというぐらいに高まっている。フィリーがスピードに笑いかけ、スピードのギターが入ってくる。ギターとドラムの音はジェットコースターに乗っているかのようにドライブしていく。嬉しそうな顔をしたスティーブがキーボードに触れずに弾き真似をしている。
「彼らが二曲同時に弾いているのが分かりますか?」
「え?」
リョウが曲に合わせて鼻歌を歌う。
「ひとつがこれです。そして」
別の鼻歌を歌うリョウ。
「もうひとつがこれ」
「えー!そうだったんだ!」
「悪戯っ子たちの悪ふざけですよ。スティーブはそれを知って、合わせてみているんです」
真っ逆さまに落ちていくかのように二人の演奏が終わり、二人の顔から笑みが消える。
「悪ふざけはここまで。いよいよです」
頷く春日。
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「あ、いや。もう分かれました。彼女にとって僕は平凡すぎたようです」
照れくさそうに微笑む春日。
「ライブの前日、グランドにステージが作られ、客席とともにフェンスで囲まれました」
「そんな直前にできたんだ」
「ノーチケットで、聖都大の学生証を見せれば入れる。入り口で学生証を確認していた外国人がいたでしょ」
「ええ」
「あれは、ロンドン・ライブのチケット売り場の時のガードマンたちですよ」
「へー、そうだったんだ」
「僕はステージ脇にいるように指示されていました。全く宣伝する機会を与えられなかったので、客席はガラガラ」
「そうでしたね」
春日は懐かしそうな顔をする。
「最初は凄く悔しかったな。客席があんな状態で彼らをステージに立たせるなんて…。春日さんは最初からいたんですよね?」
「ええ。彼女に連れられて最前列にいました」
「ステージにスピードが現れたとき、客席がざわつき始めた。フィリー、スティーブが現れて、客席の期待は現実になった。ステージを指差して叫んでる奴、慌ててケータイで友達を呼んでる奴。面白かったな…。そんなことには委細構わずスピードがフルスロットルでギターを弾き始めた。ロンドン・ライブよりもさらに腕をあげていた。その音は学校中に響き渡り、どんどん客席が埋まっていく。歓声も大きくなっていく。最高潮に達したところでフィリーにバトンタッチ。おっと、いけない。DVDを見ましょうか」
リョウがDVDを再生する。テレビに映し出されるジャパン・ライブのステージ。スピードが現れて、手をあげるが、歓声はない。スピードは動じる様子もない。フィリーが現れて手をあげる。客席がざわつき始め、何やら叫んでいる声が聞こえる。フィリーがドラムの前に座る。スティーブは手をあげることもなく、キーボードの前に立つ。スピードが右腕をグルグルと大きく回し、シャウトすると同時にギターを弾き始める。湧き上がる歓声。一つ一つの音を毛羽立たせ、荒々しく駆け抜けるギターの音。ギターはスピードを上げ、荒々しさを増していく。どんどん大きくなっていく歓声。ギターのスピードがMAXを迎え、スピードが右腕を天に突き上げると同時に、フィリーがドラムを叩き始める。凄まじい速さで始まり、緩急をつけ、まるで大波に飲み込まれていくような迫力。歓声は、これ以上はないというぐらいに高まっている。フィリーがスピードに笑いかけ、スピードのギターが入ってくる。ギターとドラムの音はジェットコースターに乗っているかのようにドライブしていく。嬉しそうな顔をしたスティーブがキーボードに触れずに弾き真似をしている。
「彼らが二曲同時に弾いているのが分かりますか?」
「え?」
リョウが曲に合わせて鼻歌を歌う。
「ひとつがこれです。そして」
別の鼻歌を歌うリョウ。
「もうひとつがこれ」
「えー!そうだったんだ!」
「悪戯っ子たちの悪ふざけですよ。スティーブはそれを知って、合わせてみているんです」
真っ逆さまに落ちていくかのように二人の演奏が終わり、二人の顔から笑みが消える。
「悪ふざけはここまで。いよいよです」
頷く春日。
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