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黒いiPodから始まった事件はどこへ向かうのか…。
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外があまりにも暑いために、学食は涼をとる学生たちでにぎわっている。食事をしている学生はいないが、他愛もない会話をしている学生たち、本を読んでいる学生、パソコンをしている学生…その中に徳川がいた。徳川の前のトレーには空になったコーヒーカップがおかれている。砂糖とミルクをたくさん入れたらしく、スティックシュガーの紙袋やミルクの容器がトレーの端に塊としてまとめられていた。徳川はパソコンをしている学生の方をちらちら見ていた。
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「あの日は、タカシに誘われてこの近くで飲んでたんですよ。『まるや』っていう店です。タカシはなんだかひどく機嫌が良くて、二人で他愛もない音楽の話をずっとしてました」
「いつもと違う話とかありませんでしたか?」
「いつものように、新しい曲やミュージシャンの話ばかりでした」
「ひどく機嫌が良かったのはどうしてですか?」
「タカシってけちなところがあるんですが、あの日はおごってくれたんですよ」
さくらは『ロック同好会』と書かれたドアをノックした。
「はーい」
ドアを開けたのは、あの日タカシと飲んでいたリョウだった。
「先ほど電話した聖都署のさくらです」
「あ、どうぞ。入ってください」
「だ、誰なんだ、君は!?」
伊田は、声に鳴らない声を出しながら後ずさった。徳川が扉を大きく開き、
「よう、さくら。おいちゃんは元気か?」
「やめてくださいよ。徳さん」
ノックされるのを待っていたかのように、すぐに扉が少し開き、外をうかがう男の姿が見えた。40代前半だろうか、少しぽっちゃりしていて目には知性よりも幼さが感じられる。
「伊田先生ですか?」
徳川に尋ねられて、男は小さく頷いた。
「警察のものです」
「どうぞ」
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