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「メンバーからいきましょうか。ヴォーカルは、16歳の日本人少女スミレ。全くの新人。ミュージック・シーンにおいてノー・カラーの彼女のデビューが『ホワイト』だったのは、象徴的ですよね」
春日が、嬉しそうに頷く。
「ドラムは、イギリスロック界の大御所フィリー。40歳で突然引退。ロック界の大ニュースだった。10年間引きこもっていたフィリーをスミレが引っ張り出した。天才の帰還。あれには驚いたなぁ。フィリーはカラード嫌いなんですよ。フィリーのいたバンドが日本公演をした時も、彼は来なかった。『イエローモンキーに音楽が分かるわけない』って言ったそうです」
春日が、嬉しそうに頷く。
「ドラムは、イギリスロック界の大御所フィリー。40歳で突然引退。ロック界の大ニュースだった。10年間引きこもっていたフィリーをスミレが引っ張り出した。天才の帰還。あれには驚いたなぁ。フィリーはカラード嫌いなんですよ。フィリーのいたバンドが日本公演をした時も、彼は来なかった。『イエローモンキーに音楽が分かるわけない』って言ったそうです」
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「ひどいもんですね」
「そんな彼がスミレと組んだんだから、驚きだった」
「きっと、スミレの歌に惚れたんですよね」
「ええ、そうだと思うのですが、どうやって歌を聞かせたのか…。会うことさえ、難しかっただろうに…。この点に関しては未だ納得いかない」
「イギリスロック界の大御所って、ボスみたいなものですか?」
「テクニックが凄いんですよ。イギリスってテクニックよりも個性が尊重されたりするんですけど、個性になるほどのテクニック。音は綺麗だし、正確なリズムはもちろん、リズムを操っているというか…リズムと遊んでる」
「そんなに凄い人だったんだ」
「『ブラック』が彼にとって初めての日本公演になった」
「そっか、生で聞けたのは、とても幸運だったのですね」
リョウはゆっくりと頷いた。
「キーボードは、南アフリカのスティーブ。彼もスミレと同じく全くの新人。教会のオルガン弾きだった彼をスミレが見出した」
「そんなのどうやって見つけるのですか?」
「ユーチューブですよ。彼がオルガンを弾いて、10人ぐらいの若者が歌って踊ってる特に注目されていたわけでもない動画」
「彼の演奏テクニックがスミレを惹きつけた」
「そうは思えないのですよ。彼のうまさを知ってるから、あの動画を見てうまいとは思うけど、彼のことを知らずにあの動画を見たら、歌って踊ってる連中しか目に入らない。なぜ、あの動画を見てスミレが彼を選んだのか、私には分かりません。スミレはオルガンしか演奏したことがなかった彼にキーボードを与えた。天才の誕生。彼はキーボードを初めて手にして数ヶ月後、『ホワイト』でキーボードをプレイした。あの素晴らしい演奏を…」
「天才ですね」
頷くリョウ。
「ギターは、スピード。テクニックでのし上がってきたアメリカのギタリストで、そのテクニックゆえに傲慢で嫌われ者だったんですよ。しかもオリジナリティがなかった。コピーは絶品で、オリジナル以上だったんですけどね」
「そんな風には見えませんけど」
「スミレと組んで変わったんですよ。彼らのロックは楽器と楽器で語り合い、カンバセーション・ロックと呼ばれたりしてます。スミレの歌声も楽器なんですよ。歌詞があるから楽器としては不備だと言う評論家もいました。僕はコミュニケーション・ロックと呼びたいと思っています。彼らはコミュニケーションをとろうとしてたんですよ。コミュニケーションをとるには自分の言葉で話す必要がある。だから、スピードは自分の言葉で演奏し始めた。天才の覚醒。彼の素晴らしい演奏に出会えて、本当に幸せだと思ってます」
「本当にスピードが好きなんですね」
リョウは微笑みを浮かべた。
「そういえば、面白いんですよ。フィリーはカラードと若造が嫌い。スピードは黒人と年寄りが嫌い。黒人のスティーブは白人が嫌い。よくもまあ、こんなに相性の悪い連中を集めたものですよ。スミレがいなければ、彼らが組むことは絶対なかった」
「スミレって凄いですね」
「ますます惚れましたか?」
春日は顔を赤くしながらも頷く。
「実際にはどうやってメンバーを集めたのか、どんな練習をしていたのかは一切謎です。そして、彼らによるライブが告知された」
「そんな彼がスミレと組んだんだから、驚きだった」
「きっと、スミレの歌に惚れたんですよね」
「ええ、そうだと思うのですが、どうやって歌を聞かせたのか…。会うことさえ、難しかっただろうに…。この点に関しては未だ納得いかない」
「イギリスロック界の大御所って、ボスみたいなものですか?」
「テクニックが凄いんですよ。イギリスってテクニックよりも個性が尊重されたりするんですけど、個性になるほどのテクニック。音は綺麗だし、正確なリズムはもちろん、リズムを操っているというか…リズムと遊んでる」
「そんなに凄い人だったんだ」
「『ブラック』が彼にとって初めての日本公演になった」
「そっか、生で聞けたのは、とても幸運だったのですね」
リョウはゆっくりと頷いた。
「キーボードは、南アフリカのスティーブ。彼もスミレと同じく全くの新人。教会のオルガン弾きだった彼をスミレが見出した」
「そんなのどうやって見つけるのですか?」
「ユーチューブですよ。彼がオルガンを弾いて、10人ぐらいの若者が歌って踊ってる特に注目されていたわけでもない動画」
「彼の演奏テクニックがスミレを惹きつけた」
「そうは思えないのですよ。彼のうまさを知ってるから、あの動画を見てうまいとは思うけど、彼のことを知らずにあの動画を見たら、歌って踊ってる連中しか目に入らない。なぜ、あの動画を見てスミレが彼を選んだのか、私には分かりません。スミレはオルガンしか演奏したことがなかった彼にキーボードを与えた。天才の誕生。彼はキーボードを初めて手にして数ヶ月後、『ホワイト』でキーボードをプレイした。あの素晴らしい演奏を…」
「天才ですね」
頷くリョウ。
「ギターは、スピード。テクニックでのし上がってきたアメリカのギタリストで、そのテクニックゆえに傲慢で嫌われ者だったんですよ。しかもオリジナリティがなかった。コピーは絶品で、オリジナル以上だったんですけどね」
「そんな風には見えませんけど」
「スミレと組んで変わったんですよ。彼らのロックは楽器と楽器で語り合い、カンバセーション・ロックと呼ばれたりしてます。スミレの歌声も楽器なんですよ。歌詞があるから楽器としては不備だと言う評論家もいました。僕はコミュニケーション・ロックと呼びたいと思っています。彼らはコミュニケーションをとろうとしてたんですよ。コミュニケーションをとるには自分の言葉で話す必要がある。だから、スピードは自分の言葉で演奏し始めた。天才の覚醒。彼の素晴らしい演奏に出会えて、本当に幸せだと思ってます」
「本当にスピードが好きなんですね」
リョウは微笑みを浮かべた。
「そういえば、面白いんですよ。フィリーはカラードと若造が嫌い。スピードは黒人と年寄りが嫌い。黒人のスティーブは白人が嫌い。よくもまあ、こんなに相性の悪い連中を集めたものですよ。スミレがいなければ、彼らが組むことは絶対なかった」
「スミレって凄いですね」
「ますます惚れましたか?」
春日は顔を赤くしながらも頷く。
「実際にはどうやってメンバーを集めたのか、どんな練習をしていたのかは一切謎です。そして、彼らによるライブが告知された」
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