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黒いiPodから始まった事件はどこへ向かうのか…。
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リョウが春日にロンドン・ライブを語り終わり、涙している。
「ごめんなさい。思い出してしまって」
「いえ、気持ち分かりますから」
「次の日、スピードはもうアメリカに帰っていました。フィーリーも自宅に。スティーブは友達とロンドン観光。スミレは行方不明。ロンドン・ライブの熱狂はマスコミに伝わり、スミレ以外はインタビューの嵐。インタビューで分かったことは、彼らはロンドン・ライブのために集まっただけで、次のライブは予定されていないこと。そして、バンド名はなかった。スピードは『スピードと愉快な仲間たち』と呼んでくれって言ってましたね」
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スミレたちのロンドン・ライブの話を春日にしているリョウ。
「スミレがステージから下がって、二曲目が始まりました。スピードのギターからです。一曲目のアグレッシブな感じと違って、とても繊細に弾いてました。うっとりしましたよ。そこに乗っかってくるスティーブのキーボードが実にスバらしかった。スピードのギターの邪魔を全くせずに、ギターの音が引き立っていました。フィリーのドラムが静かに加わってくる。とても美しい時間だったのですが…」
「?」
帝都大学ロック同好会の部屋。リョウがスミレたちのロンドン・ライブについて春日に話している。登場したスミレを見て、ライブハウスは落胆の溜め息に包まれたと聞いた春日は憤慨している。
「落胆だなんて、ひどいですよ」
春日は涙目になっている。
リョウが春日にスミレ達の初ライブの話を始めた。
「彼らのライブが告知されたのは一昨年の1月1日、インターネットのロック・ライブの告知掲示板だった。

 ボーカル スミレ 16歳 日本
 ギター スピード 24歳 アメリカ
 キーボード スティーブ 28歳 南アフリカ
 ドラム フィリー 50歳 イギリス
 1月8日 ライブハウス・ドイル
 チケット配布中

これだけでした」
「メンバーからいきましょうか。ヴォーカルは、16歳の日本人少女スミレ。全くの新人。ミュージック・シーンにおいてノー・カラーの彼女のデビューが『ホワイト』だったのは、象徴的ですよね」
春日が、嬉しそうに頷く。
「ドラムは、イギリスロック界の大御所フィリー。40歳で突然引退。ロック界の大ニュースだった。10年間引きこもっていたフィリーをスミレが引っ張り出した。天才の帰還。あれには驚いたなぁ。フィリーはカラード嫌いなんですよ。フィリーのいたバンドが日本公演をした時も、彼は来なかった。『イエローモンキーに音楽が分かるわけない』って言ったそうです」
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