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黒いiPodから始まった事件はどこへ向かうのか…。
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聖都大学の一室。大学教授の松田が机に向かって座っている。教授としてはまだ若いその顔は憤りに歪んでいる。ノックとともに、若い男がやけに楽しそうに入ってくる。
「どうしたんですか?松田教授」
男は松田が座っている机の前までずかずかと歩いていき、机に両手をついて、松田の顔を見る。
「見なさい」
松田は机の上にのっていた少年の数学の答案用紙を男の方に向きを変えて差し出す。
「CBTですね。95点か。飛び入学したいなら、100点ぐらいとれよ。これが何か?」
松田が、『醜悪』という文字を指差す。
「ああ、ここ全然分からなかったのか。『醜悪』ってできなかった自分のことですかね」
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「分かった。君もなかなか向上心が高いようだ。CBTを受けさせてあげるよ。ついてきなさい」
男性職員は少年を近くのパソコンの所へ連れて行った。
「今、セッティングするから、少し待ってなさい」
男性職員がログインして、CBTソフトを立ち上げる。
「じゃあ、座って」
少年は座って、マシンガンのような速さでキーを叩いていく。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ちなさい。説明がまだだ」
帝都大学ロック研究会の部屋。モニターにはスミレを抱きしめているアキラ。春日がリョウにアキラのことを聞いている。
「あ、でも、桜さんは彼のことをキヨシって呼んでなかった」
「アキラですか」
「そ、そう、アキラ君って」
「清は名字です。彼は、清アキラ。我が校随一の天才」
「天才ですか」
春日がちょっとバカにしたような笑みを浮かべる。リョウはニヤリとする。
「うちの大学が飛び入学を取り入れているのを知ってますか?」
パブのカウンターでウイスキーをストレートで飲んでいるアキラ。空になっているチェストウォーターのグラスを後ろから女性の手が取り上げる。アキラが振り返ると、笑顔が可愛い中肉中背のすらっとした20代前半の女性が立っている。
「学生くん、入れる?」
「ああ、頼む」
This is a damn world.
The hatred and sadness flooded.
There is no new world.
I must live in this damn world.
I fly into a rage.
I will fight with my rage.
I am a monster.
You will fight with your love.
You're God's children.

歌い終わったスミレを、スタンディングオベーションが迎える。スミレは客の上に広がる青空を見ている。湧き上がるアンコール。スピードが短いフレーズ演奏すると、大きな歓声が起きる。アンコールが繰り替えされる中、スミレはじっと青空を見ている。
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